<< Next Prev >> 2007年11月4日の集い

「『我』から『彼』へ」

ローマ人への手紙11:33-36

記: 西原智彦

19世紀のフランスに生まれたポール ・・・

全世界が神様に創造され、導かれ、・・・

34分26秒 (7.9 MB)

19世紀のフランスに生まれたポール・ゴーギャンは、多くの悲しみを背負った画家でした。ペルーで亡命生活を経験し、神学を学びながらも、軍隊生活や、画家ゴッホとの共同生活などを経験し、西洋文明に絶望。妻子を捨て、楽園を求めてタヒチへ移住するが、貧困と病気に悩まされて、自殺未遂を起こします。遺書代わりに描いた大作が、有名な「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」(1897)です。揺りかごから墓場までの人生を描いたこの絵は、悩めるゴーギャンの暗い人生そのものです。「我々、我々、我々」と、人間の力だけで命の意味を問い続ける限界を感じさせる絵です。

しかし聖書は「我」ではなく、「彼」を強調します。とくにローマ人への手紙11章33~36節では、何度も何度も「彼」、つまり「神」を強調しています。これらたったの4節の中に、原文では実に12回も「神」、「主」、もしくは「彼」という言葉が用いられています。

彼の知恵と知識は底知れず、彼の定めは理解しがたく、彼のやり方は比類ありません(33節)。というのも、彼がどのように考えるお方なのかを知る人間はおらず、彼に助言した人間は誰一人おらず、お返しとしての褒美をあげなければならないほど彼に捧げものをした人間もいないのです(34、35節)。つまり彼は、人間の誰にも依存しない、創造者であり、支配者であり、完成者なのです(36節)。

人、そしてその集合である社会や教会が、「我」ではなく「彼」に注目するとき、人間の力だけで命の意味を問い続ける終わりのない苦悩から解き放たれます。そして人生のすべてが、神への賛美、神への祈り、神への感謝となり、栄光を神に帰する生活へ変えられるのです。

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